北九州市に「EV電池工場」

 日産自動車(横浜市)は1月22日、電気自動車(EV)向けの電池工場を北九州市若松区に建設することを正式発表した。同日、福岡県や北九州市と立地協定を結んだ。軽EV向けに、開発中の新型電池を生産する。2025年度中に着工し、28年度中にも軽EVへの搭載を目指す。生産能力は年5ギガ(ギガは10億)ワット時で、投資額は1533億円。約500人の新規雇用を見込んでいる。
 新工場は響灘地区の約15万平方メートルの敷地に建設。生産するのは、新型の「リン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池」で、高価なレアメタル(希少金属)を使わず低コストでつくれるのが特徴。軽タイプ以外のEVや、他メーカーへの販売も目指す。また、子会社の日産自動車九州(福岡県苅田町)で軽EVの生産を検討していることも明らかにした。
 業績不振に陥っている日産は昨年12月、ホンダと経営統合を目指すことを発表。世界全体で約9000人を削減し、生産能力を約20%縮小する合理化策を打ち出している。一方、九州ではEVの量産体制を強化し、日産自動車九州と日産車体九州の2工場はリストラの対象としない方針。