「売上高」1位はコスモス薬品

コスモス薬品の店舗

 東京商工リサーチ福岡支社がまとめた2023年度(23年4月期〜24年3月期決算)の九州・沖縄の小売業売上高(単体)ランキングによると、売上高が50億円を超えたのは144社で、前年度比で1社増加。売上高の合計は同7.5%増の5兆9970億円で、過去最高となった。原材料価格の高騰を背景にした値上げや新規出店による店舗数の拡大で、上位10社のうち7社が過去最高の売上高となった。
 売上高トップはコスモス薬品(福岡市)で8年連続。小さな商圏でも出店する戦略で店舗網を拡大し、全国で1500店以上を運営。売上高は約8276億円で、九州の小売業で初めて8000億円を突破した。24年5月期は9649億円に達し、売上高1兆円を見据える。2位はトライアルストアーズ(福岡市)で、積極出店により前期比35.2%増の約6155億円となり、前年の3位から順位を上げた。3位はイオン九州(同市)で約5089億円。4位のダイレックス(佐賀市)は約3138億円で、食品以外にペット用品や医薬品も好調だった。
 百貨店は8社中7社が増収となった。インバウンド需要の回復で、福岡市の博多大丸(11.8%増)や岩田屋三越(8.6%増)の伸びが目立った。売上高トップは岩田屋三越の392億円だった。
 調査は今回が34回目。同支社は「スーパーなどで域外からの参入が拡大するなど競争が激化しており、長期的には再編が加速して大手企業による寡占化が進んでいく」とみている。