運営医療法人「民事再生法」申請

 心臓疾患専門病院「ベテスダクリニック」(宮崎県都城市)を運営する医療法人社団「アブラハムクラブ」(同)が宮崎地裁に民事再生法の適用を申請したことが分かった。8月23日に申請し、同日保全・監督命令を受けた。民間調査会社によると、負債総額は約12億800万円。今年の病院の倒産は全国4法人目で、負債額は最大となった。
 同法人は1988(昭和63)年に創業。MRIやCTなど先進医療が評価され、2002年3月期の収益は約8億6600万円を計上していた。しかし、周辺病院との競争激化や創業者の死去を受け、18年3月期は約6億2800万円まで落ち込んだ。コロナ禍もあり、全国で調剤薬局を経営する「寛一商店」(京都市)の傘下に入ったが、医師不足や医療従事者の離職などで赤字が拡大。寛一商店が資金繰りの悪化で24年7月26日にグループ8社とともに東京地裁に会社更生法の適用を申請したことを受け、連鎖倒産に至った。