「回復局面」は5年ぶり低水準

 帝国データバンク福岡支店は1月10日、2025年の景気見通しに対する九州・沖縄企業の意識調査の結果を発表した。「回復」局面と回答した企業の割合は7.8%で、前年から5.7ポイント低下し、5年ぶりに1割を下回った。原材料費の高騰や人手不足、食料品・生活用品の値上げなどによる買い控えなどのほか、日銀による追加利上げや米大統領の経済政策の行方などを懸念する声が聞かれた。
 景気見通しは、「回復」(7.8%)と「踊り場」(40.7%)は前年からそれぞれ低下。一方で「悪化」(22.8%)は6.3ポイント上昇した。懸念材料(複数回答)は、「原油・素材価格(の上昇)」(47.2%)が最高で、「人手不足」(45.5%)、「物価上昇」(32.4%)と続いた。「金利(の上昇)」(25.9%)は前年比8.9ポイント、「米国経済」(14.3%)は同9.7ポイント増えた。
 今後の景気回復に必要な施策としては、「人手不足の解消」(44.2%)が最高。〝103万円の壁〟などを含む「個人向け減税」(36.6%)が前年比5.3ポイント上昇したほか、「中小企業向け支援策の拡充」(36.3%)や「個人消費の拡大策」(32.4%)、「法人向け減税」(31.9%)も3割台で続いた。人手不足や中小企業向けの施策が引き続き必要とされる中で、「個人」に対する減税や消費拡大への政策が重視される結果となった。調査は昨年11月に実施し、九州・沖縄に本社を置く951社から回答を得た。