政府主導による価格調整
2025年04月04日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第257回)
『人民日報』2025年4月3日付1面に「中国共産党中央委員会弁公庁と国務院弁公庁の価格ガバナンスメカニズム改善に関する意見(中共中央弁公庁国務院弁公庁関于完善価格治理机制的意見)」という記事が掲載されました。価格改革をさらに深化させ、価格カバナンスメカニズムを改善するために、中国共産党中央委員会と国務院の同意を得て、表題通りの意見が発布されたということです。この意見では、習近平の新時代の中国の特色ある社会主義の思想を指針とし、第20回中国共産党全国代表大会と第20期中国共産党中央委員会第2回・3回全体会議の精神を深く実行し、全面的に新しい発展理念を完全かつ正確に実行し、人民中心の発展理念を堅持し、科学的な監督による高水準の価格ガバナンスメカニズムの構築を加速し、資源配分の効率を向上させ、マクロ経済ガバナンスの水準を高め、中国式の近代化によりよく貢献するとも述べられています。いろいろと理由をつけていますが、政府が価格調整を強める必要があるときとは、物価高などで国民が経済的に強い不満を持っているときです。
最近は、日本の物価高がニュースで報じられていますが、実は同時に中国も物価高が国民生活に試練を与えているのかもしれません。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。