医療機関の「倒産」過去最多

 帝国データバンク福岡支店が10月23日に発表した九州・沖縄の医療機関(病院、診療所、歯科医院)の倒産動向によると、2024年1月から9月までの倒産件数は11件だった。比較可能な2000年以降では、最多だった13年と18年(各9件)をすでに上回った。負債総額は39億4100万円。コロナ禍で減少した患者が戻らずに苦戦しているほか、経営者の高齢化や健康問題を理由に継続を断念する施設が増えている。
 倒産件数(11件)の内訳は、病院が2件、診療所が6件、歯科医院が3件。通年の倒産件数は約15件に上るとみられる。9月末時点で負債額が最大となったのは、宮崎県都城市の医療法人社団アブラハムクラブ(病院、8月民事再生法)の13億1200万円。次いで、長崎県佐世保市の医療法人篤信会(病院、6月破産)の11億7000万円。過剰債務などを理由に廃業ではなく法的整理を選択するケースが増えている可能性もあり、同支店は医療機関の倒産は引き続き高水準で推移するとみている。