「EVバッテリー」循環へ官民組織

 福岡県は7月2日、電気自動車(EV)の使用済みバッテリーの利活用を進めるための官民組織を立ち上げた。自動車メーカー、金属リサイクル業者など17社のほか、公益団体などが参画する。回収したバッテリーからリチウムやコバルト、ニッケルなどのレアメタル(希少金属)の抽出やバッテリー再使用の実証を進め、全国に先駆けて「福岡モデル」の構築を目指す。
 設立したのは「グリーンEVバッテリーネットワーク福岡(GBNet福岡)」。日産やトヨタ自動車九州など県内の自動車メーカーのほか、伊藤忠商事(東京)やI— PEX(京都市)、電池の再利用を手掛けるフォーアールエナジー(横浜市)などが参加。今年度は実務者による研究会を設け、循環に向けた課題を整理。来年度以降、実証事業に取り組む予定。今後、EV普及に伴ってバッテリーの廃棄も増える見込みだが、レアメタルの供給は海外に依存しているため、国内での再使用やリサイクルが課題という。