熊本・菊陽で「半導体材料」増強

熊本県菊陽町の工場

 富士フイルム(東京)は12月5日、熊本県菊陽町のグループ企業の工場で、半導体の製造過程で使用する研磨剤の生産能力を約3割引き上げると発表した。人工知能(AI)向け半導体の普及でアジア地域で需要が高まっていることに対応する。2025年1月に稼働予定で、投資額は約20億円。
 増産するのは、回路を書き込んだシリコンウエハーの表面を平たんにする工程で使う研磨剤「CMPスラリー」。富士フイルムは台湾や韓国などに生産拠点があり、菊陽町の工場でも今年1月に生産を開始。同町に進出した台湾積体電路製造(TSMC)などに供給している。同社は研磨後に半導体を洗浄するクリーナーも生産しており、「二つの材料を組み合わせて提案できる強みを生かし、半導体のさらなる性能向上に寄与する」としている。

「CMPスラリー」の生産設備を導入する建屋の外観