九州「半導体求人」6年で6倍超

 リクルート(東京)がまとめた2023年度の半導体関連エンジニアの求人動向に関する調査結果によると、九州・沖縄の求人数は、17年比で6.06倍と全国7地域で最も高かった。台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出を受けた半導体産業の集積が要因で、先端半導体の国産化を目指すラピダスなどが立地する北海道・東北が5.90倍で続いた。最も低い中国・四国でも2.54倍となり、半導体技術者の不足感が改めて浮き彫りとなった。
 また、不動産情報サイト「SUUMO」のデータによると、半導体工場の建設が進む地域では家賃相場が急上昇している。特に熊本県合志市と大津町の24年7月の家賃は、19年8月比でそれぞれ1.49倍、1.41倍と、熊本市(1.05倍)や全国(1.04倍)を大きく上回った。交通渋滞が社会問題となっており、工場から離れた熊本市内よりも工場周辺で住まいを探す人が増えているとみられる。
 一方、熊本県内のアルバイト・パート求人動向では、23年度は「事務系」と「フード系」が18年度比でいずれも2倍以上に増加。半導体企業の誘致による盛り上がりや、外国人観光客の増加による観光産業の活況が理由とみられる。特に「フード系」は、コロナ禍の20年度に大きく落ち込んだものの、その後は急激に回復しているという。