3年連続増で12年ぶり800件超
2025年01月16日
九州・沖縄の2024年「倒産」

東京商工リサーチ福岡支社が1月14日に発表した九州・沖縄の2024年の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は、前年比23%増の884件だった。3年連続で前年を上回り、12年ぶりに800件を超えた。コロナ禍の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済負担に加え、物価高や人手不足が全体を押し上げた。負債総額は同30%増の1182億4400万円で、2年ぶりに1000億円を超えた。
物価高による倒産は129件(前年比63件増)、人手不足は96件(同29件増)だった。業種別では、宿泊業など「サービス業他」が前年比22%増の296件で最多。このうち「飲食」(91件)と「医療福祉」(57件)の合計で半数を占めた。「建設業」が11%増の179件、「小売業」が24%増の107件で続いた。県別では、福岡(492件)が最多。熊本(80件)、大分(71件)、鹿児島(60件)、沖縄(54件)、長崎(52件)、宮崎(49件)、佐賀(26件)の順だった。
負債額が100億円以上の大型倒産はなく、1億円未満が646件と全体の7割超を占めた。負債額が最大だったのは、学習塾経営の個別指導塾スタンダード(福岡市)で83億2400万円。同支社は「資材価格の高騰や最低賃金の引き上げなど中小企業を取り巻く経営環境は厳しさを増しており、物価高や人手不足を要因とする倒産増加の流れが続く」と分析している。
一方、帝国データバンク福岡支店が同日発表した24年の倒産件数(法的整理のみ)は前年比18.4%増の838件、負債総額は29.5%増の1161億500万円だった。
