在来線18区間で「赤字」55億円

 JR九州(福岡市、古宮洋二社長)は8月20日、在来線全21路線59区間のうち、2023年度に1キロ当たりの1日の平均利用者数(輸送密度)が2000人未満だった区間は13路線18区間だったと発表した。コロナ禍からの回復もあり、前年度(14路線20区間)から減少したが、合計で約55億7100万円の赤字だった。
 最大の赤字は日南線の田吉—油津の7億300万円。日豊線の佐伯—延岡の5億3300万円、指宿枕崎線の指宿—枕崎の4億6200万円と続いた。昨年10月に国が導入した「再構築協議会」では、輸送密度1000人未満が鉄道の存廃を議論する目安とされ、今回は13区間が該当した。一方で、インバウンド(外国人観光客)など観光需要の回復により九久線の日田—由布院と由布院—大分は対象から外れた。また、日田彦山線BRT(バス高速輸送システム)の輸送密度を初めて公表。添田—日田の平均利用者は被災前の16年度より33人多い166人だった。