北九州沖で「浮体式洋上風力」商用運転

北九州市沖で商用運転が始まった浮体式洋上風力発電所

 中国電力(広島市)や洋上風力発電事業を手掛けるグローカル(広島県呉市)など6社は4月22日、北九州市沖で浮体式洋上風力発電所の商用運転を開始したと発表した。風車1基で、出力は3000キロワット。風車を海面に浮かべる「浮体式」発電所の商用化は、国内では長崎県五島市沖に次いで2カ所目。安定稼働を進めながらノウハウを蓄積し、コスト低減などにつながる技術開発にも取り組む。
 発電設備は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)などが開発し、2019年5月から24年3月まで実証運転をしており、実証に参加していたグローカルが引き継いだ。取得額は非公表。海面からの高さは約70メートル、ブレード(羽根)の直径は100メートル。運営は6社でつくる「ひびきフローティングウィンドパワー合同会社」が担う。発電した電力は、国の固定価格買い取り制度(FIT)に基づき全量を九州電力送配電に売電する。