「日中韓共同宣言」中国の真意

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第173回)

 日本では、日中韓共同宣言が採択されたことが大きなニュースとなっています。これは中国でも同じことで、『人民日報』2024年5月28日付1面に「中日韓協力の新たな課程が始まり、地域の繁栄と安定にさらに貢献する(開啓中日韓合作新征程 為地区繁栄穏定作出更大貢献)」という記事が載りました。
 これによれば、李強・国務院総理は、朝鮮半島の現状は緊迫した状況になっており、全ての当事者が建設的な役割を果たし、状況の緩和に努め、地域の平和と安定を維持し、中国、日本、韓国はそれぞれの発展上の利点を生かし、ASEANや他の地域諸国のニーズに積極的に応えるべきと強調した、とされています。
 中国側での報道では、日中韓共同宣言で、中国が期待しているのは北朝鮮対応での連携とASEANなどへの投資のようです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。