九州「創業前融資」4年連続増加

 日本政策金融公庫が11月6日に発表した2023年度上半期の九州7県の創業融資実績(創業前及び創業後1年以内)によると、融資件数は前年同期比14.6%増の1809件、融資金額は同27.3%増の77億円となった。このうち「創業前」の融資件数は同12.6%増の1187件と4年連続で増加。「創業後1年以内」も同18.5%増の622件と4年ぶりに前年同期を上回った。全ての年代や多くの業種で増加し、幅広い層で「創業」を働き方の一つとする動きが活発化している。
 業種別では、「サービス業(理美容業など)」が486件で最多。次いで「飲食店、宿泊業」が347件となり、コロナ禍では厳しい状況だったが3年連続で増加した。「医療、福祉」が246件、「小売業」が219件、「建設業」が171件、「不動産業」と「教育、学習支援業」がそれぞれ65件と続いた。年代別では「30代」が640件で最多。「40代」631件、「50代」265件、「20代以下」189件と続き、「60代」は71件、「70代以上」も13件あった。
 7県のうち、福岡県の融資件数は前年同期比20.4%増の863件、融資金額は同34.7%増の37億円で、全体の半数近くを占めた。「創業前」の融資件数は同22.4%増の563件と過去5年で最多。「創業後1年以内」も同16.7%増の300件と4年ぶりに増加した。
 日本公庫は引き続き、資金需要に対応するとともに、創業に向けたセミナーやイベント開催などに取り組む方針。