九州の「半導体産業」支援で合意

 ふくおかフィナンシャルグループ(FG、福岡市)と三菱UFJ銀行(東京)は11月7日、九州における半導体産業支援で基本合意したと発表した。台湾積体電路製造(TSMC)の熊本進出を受けて半導体産業が集積する中、九州では地場企業の供給網(サプライチェーン)参入が課題となっている。地場企業とのネットワークが強みのふくおかFGと、大手企業との取引が豊富な三菱UFJ銀が情報交換などを通じ、取引先の供給網参入などを後押しする。
 ふくおかFGは昨年10月、傘下の福岡銀行(福岡市)、熊本銀行(熊本市)、十八親和銀行(長崎市)に半導体専門部署を立ち上げ、地域の供給網把握などを進めてきた。金型加工や物流など半導体関連の取引先は約600社。しかし、大手企業との取引がないため情報が入りづらく、取引先の支援には限界があったという。三菱UFJ銀は今年4月に「半導体バリューチェーン推進室」を立ち上げるなど半導体産業の振興に注力。5月には産学官で構成する「九州半導体人材育成等コンソーシアム」に加入している。双方のネットワークや機能を最大限に生かし、新生シリコンアイランド九州の実現に向けた取り組みを加速する。