熊大などと「地下水保全」研究

TSMCの熊本工場

 半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)は10月9日、熊本大や熊本県立大と連携し、地下水保全に向けた共同研究を始めると発表した。半導体工場は大量の水を使うため、熊本工場(熊本県菊陽町)の地元では水量減少を懸念する声が上がっていた。TSMCが環境分野で産学共同研究を実施するのは初めて。
 TSMCは、年内に本格稼働する熊本工場で年310万トンの地下水を取る計画。共同研究では地下水の水位観測や水質を調査。水の流れを解析し、保全計画の立案につなげる。両大学はすでに地下水研究で実績があり、TSMCは熊本工場に関するデータの提供や資金面で協力する。同日、プロジェクトの発足式が開かれ、熊本工場を運営するJASMの堀田祐一社長やTSMCの環境技術担当者、熊大の小川久雄学長、県立大の黒田忠広理事長、熊本県の木村敬知事らが出席した。