労働者の団結を“再奨励”?

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第213回)

 2024年10月21日に「中共中央国務院関于深化産業工人隊伍建設改革的意見(産業労働者のチームづくり改革の深化に関する中国共産党中央委員会と国務院の意見)」という意見が発布されました。なお、この意見の全文は、『人民日報』2024年10月22日付1面にも掲載されています。
 この意見の前文には「産業労働者は労働者階級の主力であり、社会的富を創造する屋台骨であり、イノベーション主導の開発戦略を実行し、強い製造業国の建設を加速する屋台骨である。産業労働者チーム建設の深化と実践的改革を促進するために、ここに以下の意見を提出する」とあります。
 どうも労働者を団結させることが中国の近代化に重要な役割を果たす、と全体では言っているようです。最近の中国は毛沢東時代への回帰などと言われることがありますが、これもその一例と言えるでしょう。
 「全国の労働者よ、団結せよ!」とは、社会主義の基本スローガンです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。