日南線「油津—志布志」協議方針

JR九州の古宮洋二社長は11月28日、宮崎、鹿児島両県を走る日南線のうち、利用が低迷している油津(宮崎県日南市)—志布志(鹿児島県志布志市)間(42.9キロ)について、両県と沿線自治体をメンバーに将来の「在り方」に関する協議を始める意向を明らかにした。同社は昨年11月、鹿児島県の指宿枕崎線の指宿(鹿児島県指宿市)—枕崎(同県枕崎市)間(42.1キロ)について同様の申し出をして、沿線の自治体と協議している。
 油津—志布志間の2023年度の輸送密度(1キロ当たり1日平均乗客数)は、在来線59線区中最低の179人。同社発足後の1987年度から7割以上減少し、営業損益は4億1800万円の赤字。今後、宮崎県日南市、串間市、鹿児島県志布志と両県に対し、協議を呼びかける。古宮社長は、赤字ローカル線の存廃を当事者間で議論する場として国が昨年10月に制度化した「再構築協議会」の設置に向けた法定手続きではないとし、幅広く意見を求めたい考えを示した。