「完全キャッシュレスバス」実証

福岡市のウオーターフロント地区と天神・博多駅を巡る連節バス(BRT)

 国土交通省は8月30日、運賃の支払いに現金を使えない「完全キャッシュレスバス」の実証運行に、西日本鉄道(福岡市)など全国18事業者の29路線を選んだと発表した。11月1日から順次開始し、来年2月末までの予定。運賃箱の維持更新や現金の管理が不要になり、コスト削減のほか運転手の業務負担軽減も期待される。同省は本格導入に向け、効果や課題を検証する。
 西鉄が実施するのは2路線。博多駅—福岡空港と、博多港国際ターミナルなどウオーターフロント地区と天神・博多駅を巡る連節バス(BRT線)で、12月3日から実施する。九州・沖縄ではほかに、西表島交通(沖縄県竹富町)が竹富町内の豊原—白浜線で11月1日から開始予定。外国人や観光客が多い路線など、現金が使えなくても混乱が少ないとみられる路線を選んだ。国交省は、完全キャッシュレスバスの推進により、深刻な運転手不足や赤字に苦しむ事業者の経営改善を期待している。