「みんなの銀行」初の減資へ

 ふくおかフィナンシャルグループ(FG、福岡市)は11月11日、100%出資子会社のスマートフォン専用銀行「みんなの銀行」を減資すると発表した。同行の2024年9月中間決算の最終損益は24億円の赤字(前年同期は27億円の赤字)で、中間期としては開業以来4年連続の最終赤字となった。減資は財務体質の健全化が目的で、25年2月末に実施する。資本金、資本準備金をいずれも127億5000万円から56億9400万円に減らし、利益剰余金の欠損額を補てんする。
 みんなの銀行は21年5月、国内初のスマートフォン専用銀行としてスタート。デジタルネイティブ世代をターゲットに、3年目で単年度黒字化、口座数120万件、預金残高2200億円を目標としていた。今年9月末時点の口座数は前年同月末比37%増の112万件、預金残高は同65%増の428億円。個人向けローン残高は同2.5倍の189億円に伸びたが、システム関連や人件費などの固定費がかかった。同行は収益強化に向けて他業種との連携を進めている。
 ふくおかFGの24年9月中間連結決算は、売上高に当たる経常収益が前年同期比15.6%増の2248億8700万円、最終利益は同29.1%増の391億8000万円で、中間期として2年ぶりに増益となった。新NISA(少額投資非課税制度)など投資信託の販売手数料が伸びたほか、取引先の倒産に備える信用コストの減少が寄与した。