「JR九州高速船」社長を更迭

 JR九州(福岡市、古宮洋二社長)は8月13日、博多港と韓国・釜山を結ぶ高速船「クイーンビートル」(定員502人)で浸水が発生していることを隠蔽して運航を継続していた問題を巡り、子会社のJR九州高速船(同市)の経営陣を刷新する人事を発表した。同日付で田中渉社長は取締役に降格し、後任にJR九州エンジニアリング(同市)の大羽健司・経営企画部長が就いた。事実上の更迭とみられる。
 今回の問題は、国土交通省が8月6〜7日にJR九州高速船への抜き打ち監査を実施したことで発覚した。同社は2月中旬から3カ月以上にわたって船首内部への浸水を国交省に報告しないまま、航海日誌を偽装するなどして運航を続けたという。クイーンビートルを巡っては、昨年2月にも亀裂による浸水が確認されたにもかかわらず必要な検査をせずに運航を続けたとして、同年6月に国交省から行政処分「輸送の安全確保に関する命令」を受けていた。クイーンビートルは13日から運休中。