「市場アクセスの改善」に意見

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第196回)

 『人民日報』2024年8月22日付6面に「中共中央弁公庁と国務院弁公庁による市場アクセスの改善に関する意見(中共中央弁公庁国務院弁公庁関于完善市場准入制度的意見)」という記事が掲載されました。これによれば、市場システムは社会主義市場経済の基本システムの一つであって、中国共産党20期中央委員会三中全会の精神を徹底して実行するために、以下の意見を述べるというのです。
すなわち、①市場システムをネガティブリストモデルへと改善②市場ルールを科学的に制定③市場参入の禁止事項と許可事項を合理的に設定④市場アクセス管理措置の調整手順の明確化⑤国内外の投資の調整と連携を強化⑥サービス業への制限を緩和⑦新業態・新分野への市場アクセス環境の最適化⑧市場アクセスを緩和するための試験的取り組みの強化⑩組織力の強化─です。
 どうやら中国はさらなる市場経済制度の導入のために規制緩和を行うようです。これがどのようになるかはこれからを注視する必要があります。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。