菊陽町の豊肥線「新駅」開業延期

 JR九州(福岡市)は12月3日、豊肥線の三里木(熊本県菊陽町)—原水(同)間に設置する新駅について、開業時期を当初の2027年春から29年春以降に延期すると発表した。菊陽町は原水駅と新駅周辺の約70ヘクタールで土地区画整理事業を計画しており、進捗に合わせて開業時期を決めるという。新駅は町が費用を負担する「請願駅」で、JR九州は昨年12月に設置を公表していた。
 菊陽町の台湾積体電路製造(TSMC)第1工場では、年内にも量産が本格化する見通し。半導体関連企業の集積などで原水駅では通勤時間帯の混雑が激しく、周辺では渋滞も起きている。町は11月28日、土地区画整理事業の検討パートナーとして、三菱商事(東京)と三井不動産(同)を代表企業とする二つのコンソーシアム(共同事業体)と協定を結んだ。将来像として、新駅周辺に商業施設やホテル・マンションを集める「にぎわいエリア」▽原水駅周辺に住宅を建てる「職住近接エリア」▽両駅の間にサテライトキャンパスなど教育機関を置く「知の集積エリア」の三つを描いている。

菊陽町が描く将来ビジョン