「LNGタンク」500億円で増設
2024年11月29日
西部ガス「ひびきLNG基地」
西部ガス(福岡市)は11月28日、液化天然ガス(LNG)受け入れ拠点「ひびきLNG基地」(北九州市)に3基目となる大型の貯蔵タンクを増設すると発表した。LNGは石炭や石油と比べて二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、脱炭素化に向けて国内外で需要が高まっている。基地の貯蔵能力を強化し、供給力を拡大する。2025年夏に着工し、29年度中の運転開始を目指す。投資額は約500億円。
増設するタンクの容量は23万キロリットル。既存の2基(いずれも容量18万キロリットル)と合わせ、貯蔵能力は59万キロリットルとなる。ガス製造設備やタンクローリーの出荷設備も拡張する計画。貯蔵容量が拡大すれば、近年大型化するLNG船にも対応でき、コスト削減につながる。九州では自動車や半導体産業が集積しており、同社はLNGの潜在的なニーズが年間30万〜40万トンに上ると試算するほか、経済発展に伴って需要が拡大する東南アジア地域など海外への供給も拡大する。ひびきLNG基地は約660億円を投じて整備し、14年に運用を開始した。