北京が公園と労働者ケアのまちへ

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第198回)

 『人民日報』2024年8月29日付1面に「北京は大都市のための現代的な統治システムを構築している(北京着力構建超大城市現代化治理体系)」という記事が掲載されました。これによれば、かつて習近平・総書記が発した「首都をどのように建設すべきか?」という質問に対して、北京市が回答したとのことです。
 この回答では、北京には、毎日、約 2万4000トンの野菜が鉄道を通じて送られており、また、毎日6万 件を超える市民の苦情が数千の建設業者に直接届けられており、GDP数百億ドルを誇る中国の首都は、無数の労働者によって支えられているとしています。これらのまちに必要な措置として、とりあえず北京は公園の設置を積極的に行い、労働者が癒やされるようにし、また労働者ケア施設が手ごろな値段で利用できる都市を目指しているとしています。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。