中国国務院「人民中心の新都市化戦略」

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第191回)

 2024年7月28日に中国の国務院は「人民中心の新都市化戦略を徹底的に実施するための5カ年行動計画(深入実施以人為本的新型城鎮化戦略五年行動計画)」を発表しました(以下「行動計画」)。これは、今後 5 年間の新たな都市化建設を促進するための主要な任務と政策措置と組織的実施を取り決めるものです。この発表に合わせて、『人民日報』2024年8月1日付1面では、行動計画に対する講評が掲載されました。
 それによれば、行動計画は、安定を維持しながら進歩を追求し続けることが全体的な基調であり、新たな発展理念を全面的、正確かつ包括的に実行し、新たな発展パターンの構築を加速するものだそうです。中国経済が不調な中、安定を維持しながら進歩する計画というのは非常に重要なのでしょう。いずれにしてもこの5カ年計画がうまくいくのか注視したいものです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。