省エネ「CO2回収装置」製品化

JCCLの二酸化炭素(CO2)分離・回収装置
開発した「二酸化炭素(CO2)分離・回収装置」

 九大発のスタートアップ「JCCL」(福岡市、梅原俊志社長)は5月24日、工場の排気などから二酸化炭素(CO2)を省エネルギーで分離・回収する装置を開発、製品化したと発表した。従来の4分の1程度のコストで排ガスから97%以上の濃度のCO2を取り出せる。全国の工場やごみ処理場、研究などでの利用を見込む。
 販売するのは吸収剤を使ったCO2回収装置と、CO2を分離する膜を使った性能評価装置の2つ。従来の装置に比べると約50度ほどの低温の蒸気での加熱で済むため、工場やごみ焼却などの廃熱を生かせばエネルギー消費を大幅に削減できるという。同社は2020年に設立。九大工学研究院の星野友教授の特許技術をコア技術とし、福岡市など公的機関からの支援・共同研究を経て完成させた。