TSMC「経済効果」11.2兆円

台湾積体電路製造(TSMC)の熊本第1工場

 九州フィナンシャルグループ(FG)は9月5日、台湾積体電路製造(TSMC)の進出などによる熊本県内の経済波及効果が、2022年からの10年間で11兆1920億円に上るとの試算を発表した。TSMCの第2工場の県内建設が決まったことなどを受け、昨年8月の前回試算(6兆8518億円)から1.6倍に拡大し、10兆円の大台を超えた。22年9月には4兆3000億円と試算しており、約2年で2.6倍に上振れしたことになる。
 試算には、TSMCの第1、第2工場のほか、工場の新・増設計画を発表したソニーグループや三菱電機などの動きも含めた。半導体生産に伴う波及効果は前回の1.8倍の7兆5343億円、土地造成など設備投資に伴う波及効果は1.3倍の3兆6577億円に上方修正。企業進出や投資は10年間で171社に上るとした。熊本県の域内総生産(GRP)に対する10年間累計の押し上げ効果も従来の3兆4000億円から5兆6000億円に修正。同県のGRPは26年ごろには7兆円に達する可能性があるとした。