「全国交通系IC決済」廃止へ

熊本市電
熊本市電

 熊本市は5月28日、市交通局が運行する路面電車(熊本市電)で全国交通系ICカードによる決済を2026年4月に廃止する方針を明らかにした。熊本県内でバスや電車を運行する5社(九州産交バス、産交バス、熊本電気鉄道、熊本バス、熊本都市バス)も年内をめどに廃止すると発表しており、足並みをそろえる。機器の更新費用がかさむためで、交通系ICカードを導入後に廃止するのは全国で初めてという。
 廃止するのは「Suica(スイカ)」や「はやかけん」など全国の公共交通機関で相互利用できる10種類。専用システムの更新時期が近づいており、市電で約2億円、5社は計約12億円を見込む。5社は代替手段として、25年4月からクレジットカードやQRコードでのタッチ決済を導入する方針で、費用は計約6億7000万円に抑えられるという。市電はすでに全車両にタッチ決済を導入済み。5社が発行している「くまモンのICカード」は引き続き利用できる。