米相互関税「マイナス影響」46%

 東京商工リサーチ福岡支社が4月15日に発表した九州・沖縄企業のアンケート調査によると、米国のトランプ政権の相互関税について「業績にマイナスの影響がある」と回答した企業は46.8%と半数近くに上った。規模や業種を問わず、さまざまな企業に懸念が広がっている。調査は4月上旬にインターネットで実施し、450社から回答を得た。
 マイナスの影響については「大いに」が16.8%、「少し」は29.9%。プラスは「大いに」と「少し」で計0.6%。「影響は生じていない」は52.4%だった。産業別では、マイナスと回答したのは「小売業」が55.1%で最多。景気が減速し、個人消費も落ち込むとの観測が広まっている。次いで「製造業」が51.2%。米国向け輸出品目の主軸となる自動車を中心に輸出の減退など直接的な影響のほか、サプライチェーン(供給網)見直しの懸念も高まる。「卸売業」51.0%、「運輸」50.0%と続いた。
 対応策(複数回答)では「設備投資や拠点開設の取りやめ・縮小」が7.5%、「人員の削減」が6.3%だった。一部では「今年度の賃上げを見送る」や「廃業を検討する」との回答もあった。一方で「特になし」が73.4%だった。同支社は「様子見の企業が多いとみられるが、関税問題が長期化すればマイナスの影響はさらに拡大する」としている。