県産焼酎「出荷量」11年連続減

 鹿児島県酒造組合(濵田雄一郎会長)がまとめた2023酒造年度(23年7月〜24年6月)の県産本格焼酎の需給状況によると、出荷量(アルコール25度換算)は前年度比3.9%減の8万6321キロリットルで、11年連続で前年度を下回った。生産量は8.9%増の11万9377キロリットルと3年ぶりに増加した。サツマイモ基腐(もとぐされ)病の対策が進んだことから生産量は回復したが、出荷量の減少は、嗜好の多様化や若者のアルコール離れに加え、値上げに伴う需要減が影響したとみている。
 原料別の出荷量は、芋が3.1%減の5万8829キロリットル、黒糖が2.3%減の6668キロリットル、麦が6.0%減の1万9675キロリットル、米が3.3%増の1202キロリットル。輸出量は38.7%減の429キロリットルで、3年ぶりに減少。最大の輸出先だった中国が56.8%減の113.6キロリットルと大きく落ち込んだ。日本産水産物の輸入停止により、現地の日本料理店などで焼酎の消費に影響が出た。韓国が5.9%増の121.9キロリットル。米国は53.5%減の49.8キロリットルで、前年度出荷分が在庫になっているとみられる。同組合は、若者世代を意識した新商品開発や、話題となるような飲み方の提案など市場拡大に取り組む方針。