党員には道徳と倫理観が必要

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第180回)

 『人民日報』2024年6月24日付7面に「党生活の規律を厳格に実施し、道徳心を鍛錬する(厳明党的生活紀律 錘煉道德品行)」という記事が掲載されました。これによれば、党員が日常生活や社会の中で守るべき行動規則があって、公の倫理や私的な倫理を厳格に守らなければならないとのことです。特に習近平・総書記は、党員と幹部の道徳的誠実さを養うための要件まで提示したとのことです。
 中国は、日本の政治動向をよく見ていると言われます。この記事から思うことは、最近の日本の議員の裏金問題を中国が見て、汚職などが起こったら、政府当局が危機に立たされるという強い危機感を感じているのかもしれないということです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。