年内にも「鉄道運賃」値上げへ
2024年05月27日
JR九州
JR九州(福岡市)の小宮洋二社長は5月24日、鉄道運賃を年内にも値上げする方針を明らかにした。設備の維持や人員確保の原資に充てる。消費税の引き上げに伴う値上げを除くと、同社の運賃引き上げは1996年1月以来となる。運賃は、施設の整備や営業にかかる費用などに適正な利益を上乗せした「総括原価」をもとに算定される。今年4月に算定方法が変更され、災害による特別損失なども含められるようになったことを受け、同社は算定し直しているという。小宮社長は「作業が終わり次第、国に申請したい」としている。
また、2020年7月の豪雨被害で一部区間の不通が続く肥薩線のうち、復旧の方向性が決まっていない人吉(熊本県人吉市)—吉松(鹿児島県湧水町)間の約35キロについて、復旧費が約6億円となるとの見通しを明らかにした。全不通区間(約87キロ)のうち、被害の大部分を占める八代(熊本県八代市)—人吉間の約52キロについては今年4月、国と熊本県、同社でつくる検討会議が鉄道復旧で基本合意した。同区間の復旧費は約229億円の見込み。人吉—吉松間についても、関係する熊本、宮崎、鹿児島各県と協議していく考えを示した。ただ、同区間は「日常使い」が少ない路線で、毎年3億円弱の赤字を計上していた。