台湾との民間交流の拡大の真意

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第178回)

 『人民日報』2024年6月17日付4面に「両岸の民間交流拡大 両岸の融合した発展は深化する(拡大両岸民間交流 深化両岸融合発展)」という記事が掲載されました。これによれば、習近平・総書記は、両岸(中台関係)の民間交流を拡大すべきと述べたとのことです。
 これは、中台間の境目をうやむやにしてしまおうという中国共産党の意図を表しているのかもしれません。しかし、実際に中国側から民間交流拡大を言い出したのは大きなことです。民間交流が進んで、互いに理解し合えば中国の脅威も減退する、交流して互いに知り合うことが平和への第一歩であるとは台湾側が言い出したことです。
 世界の小さな記事も読んでみれば、意外と世界は平和だということに気づきます。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。