「新工業団地」八代IC北東に

 熊本県と八代市は10月11日、同市に新たな県営工業団地を整備することで覚書を交わした。九州自動車道八代インターチェンジ(IC)北東で、敷地面積は約25ヘクタール。高速道路や港などのインフラが整っているほか、電力や水が確保しやすいことを考慮して選定した。台湾積体電路製造(TSMC)の菊陽町進出に伴う県北部への経済効果を、県南地域にも波及させる狙いがある。年度内に基本設計と用地取得に着手し、2028年度の分譲開始を目指す。事業費は概算で35億円。
 予定地は田園地帯で、八代ICから約2キロ、八代港から約15キロに位置する。近く地権者への説明会を開く。県南地域での県営工業団地整備は、昨年12月に蒲島郁夫前知事が表明。TSMC進出に伴い県北部では人口増加や地価上昇が見られる一方で、八代など県南部の進出効果は限定的で「南北格差」が課題となっていた。県は、八代地域のほか、菊池市で2024年度中に24ヘクタールの造成に着手。菊陽町は9月にTSMC第1工場の南側で新たな工業団地の整備に向けた調査開始を表明した。いずれも、県が誘致を目指すTSMC第3工場や半導体関連産業、先端技術の製造・研究開発拠点が集積する「サイエンスパーク」などの可能性があると見られる。