「私的整理」成立で自主再建へ
2024年05月29日
山形屋
老舗百貨店の山形屋(鹿児島市、岩元修士社長)は5月28日、私的整理の手法「事業再生ADR」(裁判外紛争解決手続き)が成立したと発表した。同日開かれた債権者会議で、メインバンクの鹿児島銀行など全金融機関から事業再生計画(5年間)が承認された。鹿児島、宮崎両県の百貨店5店は営業を続け、グループ24社の従業員約1500人の雇用は維持する。
再生計画案は、負債総額約360億円の一部圧縮と返済繰り延べや、持ち株会社設置などグループ会社の再編が柱。債務圧縮など金融支援は110億円程度とみられる。6月中に持ち株会社の山形屋ホールディングスを設立。鹿児島銀行などから役員を受け入れ、創業家の岩元修士社長らは維持する方針。鹿児島県内の百貨店(3店)の運営会社は山形屋に、宮崎県内(2店)の運営会社は宮崎山形屋に合併し、事務機能を集約。2028年度までの5年間で、土地などの遊休資産の売却やデジタル化など収支改善に取り組む。