対EU見据えイタリアとの関係強化

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第190回)

 『人民日報』2024年7月30日付6面に「中華人民共和国とイタリア共和国の関係を強化する包括的全面パートナーシップ行動計画(2024~2027年)(中華人民共和国和意大利共和国関于加強全面戦略伙伴関係的行動計画(2024—2027年))」という記事が掲載されました。これによれば、中国とイタリアは関係を強化して、双方は、中国とEU(欧州連合)の経済・貿易関係がより確実で予測可能、バランスのとれた互恵的な方向に発展することを強調し、この目標を達成するために、双方は互いの企業に公正なビジネス環境を提供することに引き続き尽力するのだそうです。さらに、中国とイタリアは、EUがWTO(世界保健機関)ルールと市場原理を順守し、自由貿易、公正な競争、開かれた協力を堅持し、保護主義と一国主義に反対し、WTOルールに基づく対話と協議を通じて貿易摩擦を解決するために中国と協力することを支持するとのことです。
 中国経済の不調が報じられていますが、中国は着々と外国との経済関係強化を行っているようです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。