鹿児島・霧島に「地熱発電所」

霧島烏帽子岳バイナリー発電所
霧島烏帽子岳バイナリー発電所

 九州電力の子会社で再生可能エネルギー事業を担う九電みらいエナジー(福岡市、水町豊社長)は6月6日、鹿児島県霧島市に地熱発電の「霧島烏帽子岳(えぼしだけ)バイナリー発電所」を建設すると発表した。九電グループの地熱発電所は9カ所目。出力は4990キロワットで、年間送電量は一般家庭約1万世帯分の使用量に相当する約3200万キロワット時。9月に着工し、2026年度末の営業運転開始を目指す。投資額は非公表。
 建設地は霧島神宮の北西約3.5キロの国有林内。地下から取り出した蒸気や熱水で沸点が低い媒体を沸騰させてタービンを回す「バイナリー方式」を採用し、バイナリー発電所としては国内最大級となる。九電は1998年に調査用の井戸を掘削し、地熱資源の存在を確認。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による調査を経て、九電が2022年に建設準備の開始を発表していた。九電は今年4月、地熱発電事業を九電みらいエナジーに移管。保有する地熱発電所8カ所の合計出力は約22万キロワットで、全国の地熱発電の4割を占めている。

「霧島烏帽子岳バイナリー発電所」建設予定地
「霧島烏帽子岳バイナリー発電所」建設予定地