「ハラスメント特化」の新組織

ハラスメントや性暴力に特化した教育研究組織を開設した琉球大

 琉球大(西田睦学長)は先月末、ハラスメント(性的嫌がらせ)や性暴力、人間の性のあり方全般を指す「セクシャリティ」に関する問題を、法学や心理学の観点から調査・研究する教育研究組織「琉球大学ヒューマンライツセンター」を設立した。同分野に特化した教育研究組織を設置した大学は日本初。ハラスメントの再発防止プログラムの研究や専門の人材育成などに取り組む。
 同センターは、研究と教育、二つの不問で構成される。研究部門ではこれまで同大が受け付けたてきた相談内容や国内外の法律、大学の規程、判例などを収集し、データベースを蓄積する。なお、データベースに使用される個人の情報は伏せられる。問題が生じた状況や結果を分析することで、再発防止プログラムの研究につなげる狙いもある。
 他方、教育部門では、研究結果を反映させた教育プログラムを策定する。来年度以降、ハラスメントや性暴力を学ぶ共通教育科目の導入も目指す。学外の希望者に対しては、ハラスメントへの対応を研修する養成講座を開設し、専門人材の育成にも取り組む。さらに、県内の大学や行政、企業などとネットワークを構築し、情報収集や研究成果を共有することも想定している。
 同大は2015年に学生と教職員からハラスメントの相談に応じる相談支援センターを設置。昨年には、LGBTQ+に特化した相談窓口も開設している。