産学の連携協議会「GW2050」始動

8月13日に発足した「GW2050PROJECTS」の推進協議会

 沖縄県経済界と那覇、浦添、宜野湾の3市をメンバーとする協議会「GW(ゴールデンゲートウェイ)2050PROJECTS」が8月下旬に発足して早々、精力的に活動している。21日には内閣府を訪れ沖縄政策担当者らと面談。要請書を手渡し、同協議会が構想する米軍基地の変換跡地と那覇軍港の一体的な開発に向けた調査費の支援を求めた。他方、政府は、6月に発表した2025年度の予算編成や基本的な指針となる骨太方針の中で「基本跡地の先行取得と那覇空港等との一体的な利用」を初めて盛り込み「国家戦略として総合的に推進する」としていたが、沖縄関係予算を調査費に充てる方向で調整しているとされる。
 同協議会が沖縄政策担当者らに手渡した要請書の内容は、沖縄が日本をけん引するためには那覇空港から米軍普天間基地までのエリアを「価値創造重要拠点」に位置付け、企業と自治体とが連携して世界に開かれたゲートウェイを目指す、というもの。今後2年をかけて調査・検討を行い、沖縄の長期的発展に向けたグランドデザインを策定し、それぞれの地域で計画を推進するという協議会の活動方針が反映されている。
 同プロジェクトは①沖縄の優位性を生かした産業振興と創出②持続的発展を担う人材育成③那覇空港を起点とした交通網の整備④クリーンエネルギー社会の実現─の四つを柱に設定。今後は、部会やワーキンググループを開催し、計画推進に必要な制度、産業、人材育成、環境、交通といったテーマごとに研究する方針。他方、那覇、浦添、宜野湾の3市は、近隣市との都市機能分担について連携して協議を進める。
 同協議会の代表理事は、沖縄県経済団体会議の金城克也議長(りゅうせき相談役)と沖縄未来創造協議会の本永浩之代表理事(沖縄電力社長)の2人が務める。知念覚那覇市長、松本哲治浦添市長、和田敬悟宜野湾市副市長は理事に就いている。また、沖縄セルラー電話、沖縄海邦銀行、沖縄銀行、沖縄電力、國場組、琉球銀行、りゅうせきの計7社で構成する「企業会」が事務機能を担う。