「高度な」法治と食料

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第212回)

 『人民日報』2024年10月17日付3面に「我が国は高水準の放置によって食料安全を保障する(我国将以高水平法治保障粮食安全)」という記事が掲載されました。これによれば10月16日に、世界食糧デーと国家食料安全保障広報週間のイベントが武漢で開催され、その会場では「高度な法治によって国家の食料安全保障を守る」とされたとのことです。
 相変わらずよく分かりません。食料の確保は重要でしょうが、それがなぜ法治と結びつくのでしょう。結局、市民に食料を確実に確保したければ「法治」に従えと当局が言っているだけなのではないでしょうか。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。