負債総額360億円「私的整理」へ
2024年05月13日
山形屋
鹿児島県唯一の老舗百貨店、山形屋(鹿児島市、岩元修士社長)は5月10日、私的整理の手法「事業再生ADR」(裁判外紛争解決手続き)を活用した経営再建を進めると発表した。グループ会社を含めた負債総額は約360億円。5月中旬の債権者会議で、メインバンクの鹿児島銀行など全金融機関の同意が得られれば、営業を続けながら事業再生計画案の実行に移る。創業家の岩元修士社長と岩元純吉会長は留任する方針。
昨年12月、グループ企業計17社で「事業再生ADR」を第三者機関に申請し、受理された。近年の大型商業施設の進出に伴う競争激化に加え、建物の耐震工事などの設備投資やコロナ禍による売り上げ低迷で経営が悪化していた。事業再生計画案は、債務の株式化やグループ会社統合による組織・人員体制のスリム化、資産の売却などが柱。同社は1751年に呉服商として創業。1917年に百貨店事業をスタートし、現在は宮崎山形屋(宮崎市)や食品スーパーを展開する山形屋ストア(鹿児島市)などのグループ企業を持つ。