「全国交通系ICカード」決済終了

 熊本県内で路線バスと電車を運行する5社は11月16日、「Suica(スイカ)」や「はやかけん」など全国交通系ICカードによる運賃決算を取りやめた。交通系ICカードを導入後に廃止するのは全国で初めて。システムの更新費用が高額なためで、代わりに2025年3月上旬にクレジットカードなどのタッチ決済を導入する。それまでは現金か、地域限定の「くまモンのICカード」での支払いに限られる。
 5社は九州産交バス、産交バス、熊本バス、熊本都市バスと、鉄道とバスを展開する熊本電気鉄道。利用者の減少で厳しい経営が続いており、全国交通系ICカードのシステム更新費計約12億1000万円が重荷になったとしている。クレジットカードなどのタッチ決済の導入費は計約6億7000万円で、国や県の補助が受けられれば、事業者負担を2億円程度まで圧縮できるという。市交通局が運行する路面電車(熊本市電)はタッチ決済を導入済みで、26年4月に全国交通系ICカードの決済を終了することを検討中。