九大発「コアラテック」に出資

コアラテックが入居する「福岡市産学連携交流センター(FiaS)」

九州電力(福岡市)は11月18日、九大発ベンチャー「KOALA Tech(コアラテック)」(同市)に出資したと発表した。同社は有機素材とレーザーを組み合わせた世界初の技術「有機半導体レーザー」の実用化を目指している。九電は新興企業との連携強化に取り組んでおり、コアラテックの技術を用いて電気事業や情報通信事業、新たな事業などにつなげたい考え。出資額や出資比率は非公表。
 コアラテックは2019年、有機光エレクトロニクスの世界的権威である安達千波矢教授の研究成果をもとに創業。福岡市産学連携交流センター(FiaS、西区)に入居している。メガネ型の電子機器「スマートグラス」に表示されるデジタル情報は明るい場所では読みづらいが、有機半導体レーザーを使えば鮮明になるという。今後、さまざまな分野での応用が期待されている。同社は今回、九電のほか、FFGベンチャービジネスパートナーズ、ゼンリンフューチャーパートナーズ、エイチ・アイ・エスなどから合計5億7000万円を調達。累計調達額は9億2000万円となった。