トライアルが「売上高」トップ

トライアルの店舗

 帝国データバンク福岡支店は、2023年度の九州・沖縄のスーパーの経営動向をまとめた。売上高が前年度比で増収だった企業の割合は64.4%で、前年度(43.1%)から21.3ポイント上昇した。新型コロナウイルスの5類移行に伴う経済回復のほか、物価高を受けた価格転嫁が進んだことも寄与した。一方で約3割の企業が最終赤字となり、小規模企業を中心に苦戦が続く状況が明らかになった。
 売上高トップはトライアルストアーズ(福岡市)で、前年度比26.0%増の約6155億円となり、2年連続1位だったイオン九州(同市)を抜いた。24時間営業で集客を図り、食品や雑貨、日用品など品揃えの豊富さと低価格を営業戦略とし、全国で店舗展開を推し進めた。2位のイオン九州は4.8%増の約5089億円、3位のサンエー (沖縄県宜野湾市)は5.9%増の約2185億円。上位10社の顔ぶれは前年度と同じだった。
 最終利益が比較できる111社のうち、赤字は34社(30.6%)で、前年度比2.6ポイント上昇した。半数超が売上高50億円未満の企業で、人件費や電気料金の高騰などコスト増に対応できていないことが伺える。値上げによる消費者の買い控えなど業界を取り巻く環境が悪化する中、同支店は「今後は大手と中小の間で集客力の二極化が加速する可能性が高い」と指摘している。