大阪の地下水汚染報道のなぜ

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第211回)

 『人民日報』2024年10月15日付17面に「日本の一部の水域の汚染が国民の懸念を引き起こす(日本部分水体汚染引発民衆担擾)」という記事が掲載されました。記事の内容は「大阪府摂津市の地下水から有機フッ素化合物の含有量が法定基準の400倍以上であることが検出されたことを受け、地元市民団体が近隣住民1000人以上に血液検査を受けるよう組織した」というものです。この記事には、中国との関係など全く記載されていません。『人民日報』に、中国と関係のない日本の記事が掲載されるのは非常に珍しいことです。
 それだけ中国は、日本の水汚染に注目しているのかもしれません。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。