農林水産「輸出額」11年連続増

香港での熊本フェア

 熊本県が発表した2023年度の県産農林水産物の輸出実績によると、輸出額は前年度比16%増の122億4000万円となり、11年連続で過去最高を更新した。アジアを中心とした日本産食品の人気を背景に、牛肉やイチゴ、メロンなどが伸びた。輸出拡大に向け、県は、海外の飲食店シェフ・小売店のバイヤーの招へいや、現地での「熊本フェア」などのPR活動を展開している。
 分野別では、農畜産物が22%増の54億2000万円と初めて50億円を超えた。このうち牛肉は28億2000万円と半分以上を占めた。イチゴは6億4300万円で、台湾向けが4.4倍、香港向けが1.8倍に伸びた。林産物は17%増の39億円。丸太の需要が高い中国でニュージーランド産の代替材として日本からの輸出が増加した。水産物は5%増の29億2000万円。ブリやマダイ、シマアジなどの養殖魚を中心に輸出し、過去最高となった。中国の日本産水産物の輸入停止措置(23年8月)により中国向けは18.8%減となったが、北米や台湾向けの販路を確保した。