ボランティア動員し「民声」を解決
2024年12月20日
【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第229回)
『人民日報』2024年11月21日付17面に「『民生』は『民声』に従う(“民生” 跟着“民声”走)」という記事が掲載されました。「民生」とは、孫文が掲げた「三民主義」の一つである「社会福祉の充実」のことを挙げているものと思われます。そして、この記事によれば、浙江省のある地区で、学生ボランティアなどを地域に招き、保育所替わりの機能を持たせるなどして地域住民の問題を解決したとあります。
つまり、保育という社会サービスが求められていることを民の声を聞き取った上で、ボランティアを呼ぶなどの手法によって解決が図られたと述べているのです。このような記事が『人民日報』に載る以上、これから中国で起こる社会問題の解決にはボランティアを動員すればいいという方法が用いられていくのかもしれません。
●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。