家庭教育の不足と「正しい生き方」

【寄稿】高橋孝治の中国「深層(真相)」拾い読み(第227回)

 『人民法院報』2024年12月12日付1面に「未成年者に対する司法保護延長の手(延伸未成年人司法保護触角)」という記事が掲載されました。これによれば、全国人民代表大会の黄美眉副委員長が、一般庶民の生活を視察した際、出稼ぎ労働者の子どもたちの成長について大きな懸念があると述べたといいます。これらの子どもたちは、家庭教育の不足により悪い行いの影響を受けやすく、犯罪の道に走っているというのです。そこで黄副委員長は、これらの子どもたちが起こす事件について、人民法院が「正しい生き方」などについての助言や社会への参加方法を示すといった事件処理の方法を行うべきであると主張したとのことです。

●高橋孝治(たかはし・こうじ)
アジアビジネス連携協議会・実践アジア社長塾講師/大明法律事務所顧問。中国・北京にある中国政法大学博士課程修了(法学博士)。専門は中国法、台湾法。法律諮詢師(中国の国家資格「法律コンサル士」。初の外国人合格)、国会議員政策担当秘書有資格者。現在は、立教大学アジア地域研究所特任研究員、韓国・檀国大学校日本研究所海外研究諮問委員も務める。