60年ぶり「転入超過」

JRと北九州モノレールが乗り入れる小倉駅

 北九州市は1月7日、市内への転入者から市外への転出者を差し引いた2024年の「社会動態」が492人のプラスになったと発表した。転入超過は、国内有数の工業都市として発展していた1964年以来、60年ぶり。「鉄冷え」の影響で人口の流出が続いていたが、市は改善の要因として、IT(情報技術)企業を中心とした企業誘致による雇用創出などを挙げた。
 同市は1963年に周辺5市が合併して誕生。人口は79年の106万8415人をピークに減少に転じた。2005年に100万人を割り込み、25年1月1日現在の推計人口は90万6941人。同市の23年度のIT企業の誘致件数は過去最多の46件で、24年度も12月時点で40社に上る。技能実習生や留学生など外国人の転入超過も続いている。
 一方で、死亡者数が出生者数を上回る24年の「自然減」は過去最多の7927人。高齢化率は30%を超える。市は人口減少に歯止めをかけるため、2028年に「社会動態」をプラス1000人とする目標を掲げている。